今年こそはとふるさと納税をした話

毎年毎年しようかなーと悩んでいたけれど、目先のお金を失うことに抵抗感が強かったため見送ってきた。ところが今年はちょうどM3 Macbook Proのローンも終わったこともあって少し余裕がうまれ、それならばとふるさと納税を利用することにした。
以下は今回の納税先

京都 / 一の傳

今年どうしてふるさと納税に舵を振り切ったかというと、京都 西京漬けの老舗『一の傳』がふるさと納税の返礼品になっていることを知ったからだ。

ボクが昔、渋谷のデザイン会社で働いていたころの話だ。
仕事が夜遅くなると社長が「お腹が空いたのでお弁当を頼もう」と良くご馳走になった。その時「今日は和食の気分だな〜」と口頭でメニューを読み上げられる中から選んだ「銀鱈の西京焼き弁当」が猛烈に美味しくて、味の記憶が舌に焼き付いた。
退社後もあの味が定期的に恋しくなり探したものの、どこの宅配弁当だったかを忘れてしまい、たどり着くことができなかった。
その後、何年間も舌に残った味を探すべく思い出しては宅配弁当のサイトを調べ廻ったり、百貨店やスーパーなどで銀鱈の西京焼きの切身を買って食べていたものの、結局あの味に出会うことができなかった。
そんな折、「あの鮮烈な濃厚さと上品さを併せ持った銀鱈の西京焼きをもう一度味わいたい」という話を、最近になって友人にしたところ「西京焼きっていえば老舗は京都なんじゃないの?」と言われ、ハッとしてすぐに検索。そこででてきたのが京都『一の傳』だった。

サイトを見てると、どうもそれっぽい感じがするけれど京都だと違うだろうし、でももしかして都内に出店していたりするのかなと調べると、六本木ヒルズにあった。さらに調べるとお弁当のテイクアウトもある。というかそこで写真を見て気付いた。「あ、これだ。なるほど道理で普通に検索してもでてこないわけだ」と納得。
しかし値上がりしてるのだろうけど、今の持ち帰り弁当の価格えぐいー。
というかランチで食べようにも¥5,000〜で子犬になる。

公式サイトの通販を覗いてみると、西京焼き5品セット(銀鱈×2、赤魚×2、金目鯛)が¥3,800。送料いれてもランチ一食以下と思えば全然アリだ!とあまり悩まず注文した。

数日後、常温便で到着したので早速お願いヘルシオで焼き上げた。
美味しい食べ方ではじめて知ったのだけれど、「西京焼きは魚についている白味噌はキッチンペーパーで丁寧に拭き取ってから焼いてください」とあった。
今までは「このタップリついていた白味噌が美味しくするんだ!」と勝手に勘違いしていたけれど、要らないことをしていたようだ。勿体ない気持ちのまま白味噌は捨てた。

ヘルシオはウォーターオーブンの網焼きで、クッキングシートの上に乗せて焼く。15分ほどでこんがりと焼目がついた美味しそうな西京焼きができあがった。
いざっ!と箸を身に入れるとホロホロと身が解けていく。口に入れると何年も前のことなのに舌が覚えていて、「あぁ、やっとあの味に再び出会うことができた」と感慨深かく「美味い!美味い!」と米をかき込んだ。

それ以降毎週土日の密かな楽しみとなっていたけれど、当然5切れなので5週間しか持たない。残り一つとなったときの幸せが終わってしまう悲しみたるや。
耐えられませんわーと再度オンラインストアに訪れたとき、「ふるさと納税」の文字が目に入った。

「な、何っ……ふるさと納税の返礼品……だと……そんな暴挙が許されるのか……なんと商売上手な……」

京都の返礼品は納税額によって色々な一の傳のセットが選べるようだった。一番安いのは¥11,000 4切れとあるけれど、どうせなら10切れ¥24,000でしょう!買ったら¥7,800+送料が納税しつつ返礼品はアツすぎる。ガチでアツい。これしかない。と鼻息を荒くして納税した。

ちょっと前まで「ふるさと納税ってなんか返礼品目当てに納税だから、住んでいる場所の納税も減るし、そもそも思いれもない場所に納税ってどうなん」とか喧伝してた人間のやることではない。恥を知れ!と豪気先生に画面端でインパクトされそう。

兵庫県小野市 / 播州刃物 キッチンバサミ

兵庫県小野市
¥21,000 (2025/12/23 00:04時点 | 楽天市場調べ)

播州刃物のキッチンバサミは、随分昔にキュレーターマガジン(Web媒体)で紹介されていて興味を持ったものの1万円かーと悩んで長く買っていなかった。
ふるさと納税の返礼品となっていたのは知っていたので、毎年ふるさと納税で悩んでいた品を今回お願いした。

簡単に分解できるので洗いやすく、分解できるため研ぎもしやすいらしいと知って欲しかった。この頃から「長く使い続けれる良い物が欲しいなー」という思考になっていたので、少し割高でも良い物が欲しいと思っている。

その他のふるさと納税

被災支援寄付金ができたので、残りの枠はこちらで消費した。
去年の被災もそうだけれど、今年は豪雨被災もあったので役立てば良いなの気持ち。
来年はまた能登半島に旅に出たい。


全然余談というかどうでもいい話としては、この「ずーっと欲しいと思いつつ買えていない物」の一つに新潟県燕三条の「台屋 かつお節削り器」がある。
やはりこの商品もご多分に漏れずふるさと納税の返礼品にある。
ただ¥41,000の返礼品がウォルナットの削り刃がSK鋼材なのがどうしても気になった。
台屋の商品には、SK鋼材と別注青紙という削り刃の二種類がラインナップされていて、別注青紙のモデルの方が当然高くなっている。

SK材から不純物を取り除きタングステンやクロムを加えて刃の切れ味が長持ちするようにした「青紙」

鰹節削り器の選び方。刀の子孫?鉋刃の鋼の種類から

どうせ買うなら別注青紙の物が欲しい……と悩んだ結果、ふるさと納税を見送った。
かつお節をそこまで頻繁に使うか?と言われれば使わない。
出汁も基本的にヤマキの出汁の素を使っている雑魚さ。
しかもぶきっちょなボクのことだ、絶対かつお節削っていて何度も手を切るはず。自分の不器用さにだけは自信がある。
それでも削りたてのかつお節は絶対美味しいんだろうなーという味への憧れを捨てきれない。
そんな愚かな思想で欲しい。